焼岳北面

中尾温泉林道終点〜割谷林道〜溶岩台地末端〜山頂(南峰)〜黒谷〜林道終点

2455.4m

2010.1.11

画像:Dr.sinozaki提供

前日、高山で山スキーを楽しんだjunさんから連絡を頂く。「焼岳北面、行きますか?」「・・・無理です!」
そして翌日・・・どこでどうしたわけか、来てしまいました。無謀なんてもんじゃありませんね(^_^;)
ま・・とにかく行くしかありません。早朝、Dr.sinozaki & Dr.jun 両氏と合流。
山スキー界でダブルDrと言えば私なんかがご一緒させて頂くなんて考えられない人達なのです。
そんな彼らに着いて歩こうなんて、もう夢のような出来事。っていうか無茶苦茶なこと!

今日の目標:弱音を吐かず着いて行く、とにかく頑張る!!意地でも下山する!

林道ラッセル、ガシガシ進む両氏、そして大堰堤、渡渉。 やっぱり、普通のルートじゃない(>_<)
伊吹や大日でjunさんに鍛えてもらったけど、そんなもんで着いて行けるんかい・・・
junさん、助けてね。なんて言える雰囲気でもないし、自分で歩くしかないよね、来ちゃったんだし (^^ゞ

そんでもって、こんな斜面も登っちゃいます。ここ・・・写真では判りづらいけど、もの凄い所なんです。
急登、崖、ラッセル地獄、そんな感じです。Dr.sinozaki、ラッセルの鬼・・この人達、恐るべし体力!
「ここを登ったら台地に出ますからね」なんて優しい言葉を掛けてくれますが、ここからが勝負なのだ!
遥か遠くに焼岳が見えてきました。ほらね・・・まだまだ遠いやん。

ラッセル交代なんて、とてもじゃないけど出来る余裕はありません!とにかく着いて行くのみ!
写真も撮るような暇なし!!溶岩台地末端からの登り上げはかなりキツイです。
でもとても美しいバーン、ここだけ滑っていれば快適なんだろうな・・・引き返すならここしかないだろう。
そんなことが頭の片隅を過ぎりましたが、やっぱピークハンターなのかな。
今にして思えば私だけここを滑って降りるべきだったかも。悲しいかな、人生と同じ後戻りできません(^_^;)

何とかスキーを履いたまま進んでいましたが、2250m付近で板を担ぎましょうということに。
岩陰で風を避けながら、言葉もなく坦々と作業を進めます。ここからはアイゼンとピッケルですね・・・
マジで厳冬期岩稜登攀の世界、この斜面をロープ無しですから。しかも兼用靴・・・登れへんし(>_<)
良い子は真似しないでね。突風が吹いたら一巻の終わり・・・

ダブルDrが時々振り返って、私が着いて来ているか確認してくれてる・・・たぶん。
「大丈夫?」というjunさんの声にも、コックリと頷くしかできません、声が出ないんです。お腹すいたよ・・・
彼らの山はこんなもんだろうと想像していたので、ポケットにゼリーやソイジョイを入れていて正解。
時々コソッとそれらを頬張り、少しでも空腹を誤魔化します。
山頂まであと少し??と思っていたら、まだここから1時間半だって・・・(~_~;) 延々と岩稜です。

気分が悪くなるほど登ると、そこは山頂。強風です・・・さぶっ(>_<) 
休むことも出来ず、今度はシールを外し、滑走準備をします。ここも坦々と・・・
ダブルDrはそれでも大満足の様子、楽しそうに♪どこをどうやって滑るのか、ワクワクするんだろうな・・
私はドキドキしかしないけど(*^_^*) でもここまで来れただけでも・・・自分を誉めてあげたいよ(^^ゞ

どこをどう滑るの??junさ〜ん、どこを滑るん??きゃーー!!カリカリですやん!!
「最初はカリカリに凍っていますから、板を滑らせてね。でも絶対にコケないでね、岩が出てますから・・」
「うん・・いえ、ハイ」   カリカリカリ〜〜とね・・・コケたら頭打ちますね、危ないです、ハイ慎重に。
まるでライオンの父のようです。さ、これを下れば強くなれるのだよ・・・カリカリカリ〜〜〜(>_<)

ダブルDr、Ho〜Ho〜〜と何やら楽しそうに吠えながら滑っていきます。
途中からはとてもイイ雪になりました、うん・・・ここなら怖くないぞ!でも油断すると岩が出ているので
要注意です。怖いけど、楽しい♪ 私にしたら上出来なんだけど、それでもだいぶお待たせしたみたい。

だってやっぱりこんな状態ですから・・・足がパンパンでもう踏ん張りが利かない。
待っていてくれるjunさんも大変そう、すいません。

すぐに谷は狭まり、滝あり崖あり・・・死に物狂いで降りてきました。写真も撮ることができず・・・コワっ!
谷は急いで滑り降りないとね、とDr.sinozaki 。はい・・わかっているのですが、どうにもこうにも。
こんなところにノコノコと着いてきた私が馬鹿でした。
滝・・垂直やし、割れてるし、岩ゴロゴロやし・・・しかし、冷静にね、焦らず、ゆっくり。
大堰堤の横をすり抜け、朝通った林道にピシャリ。さすがですm(__)m
それにしても凄いところでした、登りも下りも!ふつー山スキーでは行かないな!
だけど喉もと過ぎれば熱さ忘れて・・・・ひゃ〜〜楽しかった\(^o^)/
怖いくせに結構好きかも、こんなとこ。一度行ったらこっちのもんや・・・
なんて言ってたら・・・誰か止めてね。


ダブルDrとの山スキーなんて、夢のような一日でした。写真は家宝にしますぅ・・・
両氏には大変ご心配とご迷惑をお掛けしましたが、私には大切な思い出になりました。
無事に登頂、下山、感謝ですm(__)m



そして・・負けず嫌いの私は、これを糧に明日からまた頑張るのです。
負けへんでーー(笑)
そして来年はここを楽勝で滑れるくらいに・・・なってるといいのですけど。ま、お楽しみに♪