仙塩尾根縦走

北沢峠〜仙丈ヶ岳〜野呂川越〜三峰岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜大門沢〜奈良田

2008.7.19〜21

3032〜3189〜3025m

1日目

二日目の記録へ

出会った花たち

以前あるHPで仙塩尾根を知り、いつか行こうと少しずつ資料を集めていました。
仙塩尾根の縦走は入山から下山まで行程がかなり長いということ、小屋以外での水の確保ができるかどうか
人があまり入っておらず倒木が多いということ、樹林帯も長そうなのでモチベーションが保てるかどうか・・など
万が一を考えてテント泊装備で入るつもりでしたが、不安な要素がたくさんありました。
今年はこの7月の3連休に他の予定がなく、この日が私にとってはチャンスと考えていました。
ちょうど、ご一緒したいという人も無きにしも非ず・・・でしたが自分に自信がないままこのようなコースに同行
していただくことには躊躇いがあり、お断りしました。
行程の長さ、倒木などが多いということで登山道の様子がわからないことなどを考え、様々な場面を想定。
そして自己責任の重みを感じたために、今回は一人で行こうと決断をしました。

いつものように仕事の後、家事を全て済ませ、高速で白根ICへ。下山を考えて夜叉神に車を置きます。
最終的に予備の食事と水を含め、全てを確認してパッキング。ゆっくり朝食を食べていると外が賑やかに
なってきます。急いで準備をして広河原に向うバスに乗り込みます。広河原に到着するとそこにも多くの
登山者が列を作っています。切符を購入して北沢峠に行くバスに乗り換え。
AM7:00 北沢峠到着、トイレをお借りしていよいよ出発です。緊張・・・
最初は気持ちの良い樹林帯、朝の光が清々しい♪が・・本当は一睡もしていないのでフラフラでした(^^ゞ

出会う人はほとんどが小さなザック・・軽量化に努めたつもりですが、重いザックが肩に食込みます。
ふぅ〜何度も深呼吸。まだまだ始まったばかり、行程は長い、焦らずゆっくり歩こうと思いました。
最近どこの山でもよく見かけるトレイルランナー達が軽々と登って行きます。それを横目に見ながら自分
のペースを掴むのが結構辛かったりするのです。気にしない、見ない・・・それが一番 (^_^;)
しかし彼らのように辛さを微塵も見せず笑顔で登ることができたら幸せだろうなぁ (^^ゞ

急な狭い登山道を何とか登り切ると青空が広がり、次のピークである小仙丈ヶ岳が前方に見えます。
すぐ近くに見えるのですが、やはり荷物が重くて思うように歩けません。途中でザックを下ろし休憩。
コースタイムどおりの時間を使ってやっとこさ小仙丈ヶ岳へ (~_~;)
ピークには多くの人がいて座る場所もないくらいなので、もう少し先まで行って休むことにします。

登山道から外れて休憩。この時点ですでにヘロヘロ〜寝ていないので少し目を閉じると意識が飛びそう
になりました。これは危険と、少しだけ眠ることに・・ザックにもたれるとあっという間に夢の中へ (>_<)
登山者の話し声で目が覚めました、ほんの少しの眠りでしたがスッキリしました。
良く冷えたトマトを頬張ると生き返り、仕切りなおしです。がんばろ!
稜線歩きは気持ちがいいものです。眼下に仙丈小屋が見えました、今夜はすごい人だろうなぁ〜
振り返ると甲斐駒が!以前歩いた鋸岳への稜線がはっきりと見えます、もう一度行きたいなぁ (*^^)v

北岳のうしろには富士山が見えました、一番と二番ですね♪

最後の一踏ん張りで山頂です \(^o^)/

山頂で昼食にしたかったのですが、あまりにも賑やかなその場所が自分には不釣合いなような気がして
少しだけ休憩して写真を撮り、先に進むことにしました。単独の時は休憩が苦手なんです (~_~;) 
ガレた登山道を一気に下ると大仙丈ヶ岳と思われるピークが目の前に立ちふさがっています。
振り返る景色もこれから続く稜線も素晴らしい!!ワクワクします。

「大仙丈ヶ岳」なのに本峰よりも僅かに低い、山頂はとても地味 (^_^;) 
この付近はお花もたくさん咲いていて北アルプスを思わせるような岩場と斜面があり
景色は私好みでとてもいい所でした♪
少し下ったところには雪渓があり、岩の陰に座ると涼しくて気持ちがいい。
暑さと不眠で頭がフラフラしていたので、ちょうど良い休息所です。
温かいコーヒーを入れ、行動食を食べて、ゆったりとした時間を過ごしました。

大仙丈ヶ岳からは一気に標高を下げていきます。ハイマツを両脇に登山道は続きます、時々花が咲いて
いて心癒されました。そして振り返り見上げる今来た道・・・いよいよ仙塩尾根に入っていくんだなぁと実感
しました。さぁ、もう振り返るまい!なぁ〜んて、嘘で振り返ってばかりでした(~_~;)
途中の小さな雪渓でビニール袋に雪を入れてトマトを冷やすことにしました。

仙丈カールの向こうから甲斐駒が見ています!
北岳〜間ノ岳、まだまだ遠いなぁ・・ホントにあそこまで?!

どんどんと離れていく仙丈ヶ岳を背にちいさなアップダウンをいくつも繰り返しました。
長い長い尾根を歩くのは気持ちがいいものです。本当に前を見ても振り返っても素晴らしい景色でした。
樹林帯に入ると展望が良くないせいか一人歩きには辛いなぁ・・長いなぁ・・しんどいなぁ・・まだかなぁ・・・
と、一人でブツブツ言いながら歩きました(>_<)
日当たりのよい植物園のようなところを過ぎると、樹林帯に「苳ノ平」の小さな道標を見つけました。
地図を出して確認すると?!まだこんなところかとガッカリ、これまでのんびりし過ぎたようです。

倒木を跨いだりくぐったりしながら、苔生した樹林帯を過ぎると、何でもない小さなピークに伊那荒倉岳の
三角点がありました。そこからしばらく行くと明るい湿地帯「高望池」がありました。
今日は暑いので水分を多く取ってしまい、明日の行程を考えて水を補給することにします。
少し右に戻り、奥に進むと地図に書かれている通り50mほど下に水が流れていました。
まだ1.5リットル以上の水が残っていますが、あと2リットル補給しました。ザックが重い・・

そこから先は倒木の嵐 (>_<) 跨いだりくぐったりは当然ですが、行く手を阻まれてどうにもならなくなり
何度も確認しながら前進あるのみ!しかし、今まで見たことがないくらいの、もの凄い倒木地帯でした。
ザックが大きいので引っかかったりして大変でした。
踏み跡やテープが見つかるたびにホッと胸を撫で下ろしました。本当言うと半泣き場面もありでしたが
何度も地図とニラメッコして進みます。

樹林帯から稜線に出ると、滅入っていた気分も爽快になります。おそらく独標と思われるピークで休憩。
倒木地帯を抜けても登山道には倒木が倒れて塞がれている場面が何度もありました。
ひょっこりと横川岳に到着。地図の注意書きの通りで真っ直ぐの尾根には入らないように左に折れて
野呂川越の方向に行きました。しかし実はここからが大変!!倒木・・なんてもんじゃありませんでした。
何とか踏み跡を辿り、急降下。途中からトラロープが張ってあり、それに従って行けばよいのですが
さながらサバイバル状態の道??道とは言えないですね・・踏み跡がハッキリと確認できたので不安は
ありませんでしたが、ほとんどヤブコギ状態で参りました。
野呂川越から両俣の分岐で小屋に下ることを考え迷いましたが、時間的に小屋まで下る自信がなく
もう少し先に進むことにしました。
高度を確認しながら、しばらく頑張ってみました。でも今日は暑さと不眠で無理をし過ぎました。
休憩が多くなり、時間ばかりが過ぎていきます。もう無理だと悟り、テントが張れそうな所を探すことに。
数箇所の良いところがありましたが、あと少し、もう少しと頑張り、稜線に近い場所でビバーグ地らしき
空間を見つけてザックを下ろします。テント設営。
ラジオをボリュームいっぱいに鳴らし、とにかく横になりました。1時間ほど爆睡のあと夕食はおにぎり
の残りだけで済ませました。なるだけ火を使いたくなかったので・・
一人の不安感で何度も目が覚めましたがそのたびに鈴を鳴らしてみます、気休めですけど・・
暗闇に一人でしたが、怖いとか言っている余裕もありません、とにかく眠かった (>_<)

北沢峠〜仙丈ヶ岳〜野呂川越