北沢峠〜仙丈ヶ岳〜野呂川越〜三峰岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜大門沢〜奈良田

2008.7.19〜21

3032〜3189〜3025m

仙塩尾根縦走

三日目の記録

AM4:00 テン場を出発、雨に濡れたテントが重い(>_<) 今日の行程も8時間以上、辛いなぁ(^_^;)

車は夜叉神に置いてあります、そのためには奈良田から広河原に戻らなければなりません。奈良田発が
最終午後3:30、ザックの重さを考えると私の体力ではコースタイム以下(8時間)で歩くことは難しい。
それに合わせるためには少しでも早く歩き出さなければと思い、4時丁度に出発しました。

農鳥小屋から西農鳥まで標高差が300m、出だしから急登、岩稜のキツイ登りとなります。
ヘッドランプの灯りが私の前にも後にもたくさん見えました、西農鳥で御来光が見られるといいけど(^_^;)
登り切ったところが西農鳥の山頂かと思ったら違っていました。西側を巻き、少し下ってまた登り返すと
ピークがあり、さらに少し先にもピークがありました。でも道標が何もないので本当の山頂がどちらなのか
わかりません。
西農鳥の少し手前で日が昇り始め急いでピークを目指しました。

西農鳥山頂と思われるピークでザックを下ろし素晴らしいご来光を堪能して、さらに農鳥岳に向います。
すっかり日が昇りました、今日もイイお天気\(^o^)/
農鳥岳は全体が岩の塊でした、私の大好きな景色。もしかしたら冬は北岳よりもおもしろいかも(*^^)v
小さなアップダウンを繰り返し、慎重に前進します。
その隙間から見える間ノ岳と北岳が美しい。山って遠くから見てこそ・・なのかな。

それほど疲れていないと思っていても、歩はなかなか進みません。西農鳥岳から農鳥岳までの距離は
地図で見るとすぐのように見えますが、とても遠く感じました(>_<)
少し平坦な道になって巻くように進むと、数名の人の姿が確認でき、そこが山頂のようです。
ずっと前後して歩いていた男性に「もうすぐですね」と声をかけると、とても嬉しそうでした(^_-)-☆

農鳥岳の山頂は岩を積み上げたような小さなピークでした。5mほど下にちいさな広場があり
そこには昨夜ビバーグしたグループが荷物をまとめていました。
山頂で先ほどの男性と山頂での記念写真を撮り合いっこしました。
目の前に広がる雲海とその向こうに浮かぶ富士の姿に感動、素晴らしい景色でした。
誰もがここから去りがたい気持ちだったと思います。私ももう一日ここに居たいなぁと・・・
後ろ髪引かれる思いを振り切って、山頂を後にしました (>_<)(>_<)(>_<)

狭い岩場の登山道ですが所々マーキングがあり快適な稜線歩きが続きます。
近くて遠い塩見岳と赤石岳なども見えて、このまま何日もこの山域を縦走したい気持ちになりました。
自分の左手には常に富士が見えるし、こんな素晴らしい山が他にあるだろうかと思うほどでした。

大門沢下降点を示す道標があり、稜線から外れて一気に下ります。雪渓が2箇所ほど残っていました。
それをトラバースするように進みます。
目の前に草原のような広々とした大地が広がり、今までの岩稜帯とは全く異なった景色に変わりました。
ハイジになった気分で気持ちよく歩くことができました(#^.^#)

ケルンと黄色い道標に鐘がある大門沢下降点に到着しました。ここで大休憩とします、コーヒーを入れ
軽く食事をとることにします。まだAM6:30なので朝食ということになりますね (^_^;)
正面には今朝からずっと一緒に歩いて来た富士が見えます。
誰もいなくなったのを見計らってセルフタイマーで写真を撮ってみました (^_^;) 
するといつの間にか3名が近づいていて 「三峰岳の人じゃない?撮ってあげたのに〜」と (^^ゞ
右が撮り直して頂いた写真です。今年一番のお気に入りになりました、ありがとうございましたm(__)m
その後、広河内岳から下りてきた人と雑談して、この辺りのおもしろそうなコースを教えてもらいました。
かなり健脚な人で、イイお話が聞けて嬉しかったです。

大門沢下降点から奈良田まで、コースタイムで6時間。下るだけですが気が遠くなりそうな道程です (>_<)
富士を見ながら急な登山道をただひたすら下ります、樹林帯に入っても急な下りは飽きるほど続きます。
テント場で会った二人の若い男性と抜きつ抜かれつ・・・
彼らにはいつも笑い声があって楽しそうな雰囲気です。私もコソッと彼らの会話を聞いて思わず笑ってし
まいました (#^.^#) とても愛想が良くていい子達でした(あんな良い息子がいれば母としては幸せだろう
なぁと思ったのでした)

登山道が沢沿いになると辺りは霧で真っ白になりました、所々登山道が崩れていてズリッと滑りそうに
なりましたが、慎重に下れば問題ありません。
数箇所河原に降りれる所があり、顔を洗ったり足をつけたり休憩している人達がいます。
そろそろ大門沢小屋かなと思った時に木々の間から赤い小屋が見えてホッとしました。
大門沢下降点から小屋まで約2時間、思ったよりも早く降りることができました。
小屋は思ったより賑やかで数組の人が外の椅子でお昼を食べていました。農鳥からずっと前後して
歩いていた人が何組もいて、三峰岳で出会った人達も休憩中でした。
「長かったね〜でもまだまだこれからも長いよ〜」と(^_^;) 
テントや泊まりの人も結構いて、若い人が多くて活気がありました。

小屋から奈良田までのコースタイムは約3時間となっています。ハァ〜まだまだ遠いなぁ・・(>_<)
建物の裏に戻って河原のほうに下ります。登山道は河原沿いから美しい樹林帯の中に入ります。
手入れされた美しい森、フカフカした歩きやすい道、静かで緑が清々しい。だけど長いです(^_^;)

森を過ぎると、また河原沿いの登山道になり、ちょっとビクビクするような手作りの橋を3箇所くらい渡り
ました。農鳥から前後して歩いていた若いグループが川に足をつけて休憩していました。
「気持ちイイですよ〜」と清々しい笑顔です。
大門沢小屋から1時間半で早川水系発電所取水口に到着しました。そこから3つの橋を渡ると大きな
堰堤の工事現場に着きました。大きな重機で作業されていました。そこからさらに下ると道路に出ます。

ここから奈良田第一発電所のあるゲートまで延々と舗装道路を歩くことになります。時々工事車両が通る
ので注意しなくてはいけません。登山道と違って舗装道路は照り返しが強くて、暑かった(>_<)
AM11:50 トンネル横のバス停に着きました。
休憩を何度も取り、ゆっくりしましたが予定よりも早く到着しました \(^o^)/
奈良田は、年末の北岳を思い出します。私には思い出深いところです。
南アルプスはまだまだ歩いていないところばかりですが、これから頑張って通ってみようかなぁ (*^^)v


次のバスの時間は13:25 1時間半もあります。しばらくトンネル警備のおじさんとお話をして待ちます。
とても優しい人で、楽しい時間を過ごしました。
それでもまだまだ時間もあるので奈良田温泉まで歩いてみることにしました。
バス停で冷たいジュースを買って休んでいると、登山者が続々とやってきてアッという間に行列ができて
しまいました。ほとんどの人が身延駅行きのバスに乗るようです。
農鳥岳で出会った人や三峰岳からずっと前後して歩いていた人達ともここで再会。
まだどこかでお会いしましょうと、手を振ってお別れしました。
バスの中では単独の女性といろんなお話をしました。ホントに素敵な人ばかりでいい刺激を頂きました。

奈良田から広河原へ、バスを乗り換えて夜叉神まで。
バスの中でも素敵な出会いがありました。
おもしろいお話を沢山聞かせて頂き、山っていろんな楽しみ方が
あるのだなぁということを知りました。

今回の山行は、一人ぼっちの仙塩尾根縦走から始まりました。
不安もあったけど、楽しかった。
その後の行程中には素敵な出会いがたくさんありました。
そして楽しいお話をたくさん伺いました。みんな素敵な笑顔でした。
私にとって忘れることのできない、素晴らしい山旅。
山々と自然と、出会ったみなさんに感謝  m(__)m
またいつかどこかで・・・