西穂高岳

2006.3.5

2902m

穂高口9:00−西穂山荘9:50−西穂独標10:50−西穂高岳12:35−西穂山荘14:25−穂高口14:55

久しぶりの西穂、昨夜は嬉しくて2時間ほどしか眠れなかった。自宅を3時半に出発、M氏と合流
新穂高温泉には7時半ごろ着く。車の中で朝食を食べ準備をする。ロープウエイ駅が開いているようなので中で始発を待たせてもらうことにする。私たちが一番のようだ、そこへ単独の男性。話をすると福井からだという、独標まで行けたらとのこと。しばらくすると観光客でいっぱいになってきた。
8時半のロープウエイで穂高口へ。笠ヶ岳が真っ白で美しい。(下、右の写真) 白山も見えたが写真には撮れなかった。トイレなどを済ませ、写真を撮って出発する。

天気予報通り、晴天。昨年の西穂は強風で凍えそうだった、それで今日はレインウエアはやめて冬用のウエアにしたのだが・・しばらく歩くと暑くて暑くて途中で上着を外した。左手に槍ヶ岳が見えてきた、ここからは小さくて可愛い槍だ。途中数名の下山者とすれ違う。山荘泊まりだろう、いいなぁ〜リッチで。
と、M氏がすれ違った男女と話をしている。男性は福井県の方だそうで私も何度か某所でお会いしているらしい・・・今日は福井の人ばかりに会う、世間は狭い。

山荘までは風もなく晴天だった、ここでアイゼンを付ける。山荘前の丘を越えたとたんに突風。でも昨年よりはマシかな・・冬用のウエアにして良かった。凍った雪の上に前日降った雪が積もっていてアイゼンが滑りそうになる、大変危険だ。独標までわずかな距離だが慎重に行く。先日、飛騨側のトラバースで滑落があったので少し気になった・・

無事に独標に到着、暖かい飲み物で少し休憩。下は晴れているようだが、ここから先は時々霧に包まれる。風も相変わらず強そうだ。独標からの下りを覗き込むとトレースがある、3つ目ぐらいのピークに単独者が見える。私達もアイゼンとロープを確認して出発する。

時々突風が吹き荒れ、雪が舞い上がって頬を打つ・・顔が冷たい。新雪が深い信州側は比較的歩きやすいがセッピがあるので危険だ。飛騨側は凍った上に新雪が少しだけ積もり、これに騙されるともっと危険。アイスバーンのところはピッケルも刺さらないし、アイゼンも効かない。岩の横をトラバースする箇所がアイスバーンになっていて慎重にアイゼン歩行していたつもりだったが・・滑った。下は見ない(^_^;)
M氏の顔を見る。「落ち着いて、ピッケルを刺してゆっくり立ち上がれ」 体を回転させピッケルを刺す。
体勢を立て直し、アイゼンをしっかり効かせて立ち上がった。ゆっくりとM氏の方に進む。ホッとした・・・

途中、岩陰で風を避けて休憩した。いくつものピークを越えて(13あるそうです)やっと西穂高岳山頂へ。
最後の登りではウルウルしたのと寒さで鼻水が・・それにお腹もぺこぺこだ。ドーナツを食べ紅茶を飲む。下りはもっと慎重に・・一歩一歩気を抜くことはできない、時間が長く感じる。独標手前でこれから山頂を目指すという単独者とすれ違う。時間が遅すぎる・・この風と天気じゃ無理しないほうがいいよと声をかけるが。

風が強すぎて食事ができなかった。山荘まで戻ってやっと昼食のお湯を沸かした。 暖かいカップめんとおにぎりで生き返った、気がついたら朝と同じように晴天でポカポカと春みたい。このままここでゆっくりしたいところだが、ロープウエイの時間があるので下山をする。帰りは快適〜気分も爽快。3時のロープウエイに間に合った。

しかし・・本当はちょっと落ち込んでいた。あの時アイザイレンしていなかったら私は滑落していたかもしれない。あんなに練習してきたつもりのアイゼン歩行・・まだまだ未熟だった。
いつもどんな状態でも自然にその形で歩けなければいけない。瞬間的に足も体も動かなくてはいけない。やはり独標から先は山ではなく、岩なんだ。夏でも冬でもそれは同じ、心して向かわなくてはいけないと思った。