白馬主稜

2009.4.29

2932m

初めて写真を見た時から 「いつか必ずあの雪壁を登る!」と思い続けてきました。
諦めず努力し続ければ、夢は必す実現する。そう信じている・・・

「主稜行きますか、トレーニングには最適ですよ」と久しぶりに時間が出来たというM氏から連絡がある。
「へっ?トレーニングで主稜っすか?」 ・・・ま、そういう考え方もあるんや。でもこれはチャンスです。
「ハイ!よろしくお願いします」と即返事、気合入りま〜す\(^o^)/

深夜福井を出発、猿倉までの開通が例年より早くて昨日28日とのこと、ラッキーでした。
2時間ほど仮眠・・・の予定が三人とも寝坊してしまう ←気合はどこへ?(^_^;)
ちょうど出発する時間に猿倉荘の管理人さんが来られ、登山届けを提出。山荘からアイゼンを付ける。
白馬尻から標高差1400m、水平距離2500m・・・頑張るしかないですね (^_-)-☆

私たちの出発が遅かったのか、大雪渓の上部を行くスキーヤーの方々が転々と見えます。
猿倉から1時間ほどで分岐、ここから主稜線に向って取り付くことになります。
主稜のかなり上部に2名が見えました、おそらく途中でテント泊した人たちでしょう。2日ほど前に降雪が
あったはずなので本日はラッセルの覚悟をしていましたが、先行者がいるならトレースが期待できそう。
個人的には少し安堵しました (^_^;)

取り付きからいきなりの急登でした、ケガから復帰後間もないのでアイゼンが重くてたまりません (^^ゞ
もっと足を鍛えなくては雪山は辛いなぁ・・・ここに来て今更遅いけど。
「ゆっくりでもいいから、とにかく休まないで前進すること」とM氏。(これがトレーニングって意味なのね)
「ハ・ハイ・・・」(一応笑顔で答えておく)
声がしたので振り向くと、いつの間にか後方に4〜5名が追いかけてくる (^_^;)

週始めの雪で山は真っ白、綺麗です。今年はどこも雪が少ないと聞いていまいしたが、今週は良さそう♪
でも日が高くなると気温も上昇しそうなので時間がかかると要注意。この時期の新雪は怖いですからね。
八峰を過ぎるとドキドキするようなスノーリッジばかり、慎重に高度を上げます。

歩いて来た主稜線と杓子岳

まさに天に突き上げる高度感、最終ピッチのセッピの大きさまではここから見えないけれど、楽しみ♪
でもまだまだ遠いな・・大きなキノコ雪も乗り越えます。この辺りはコンテで。

結構上がってきましたが、まだ序の口です

先行者に追いつきました。この下でしばらく待ちながら休憩、やっとゆっくり休めます、ヘロヘロ (^^ゞ
リードの人がビレーに入ると先にどうぞということ、ありがとうございます m(__)m
話を伺うと、二日前に猿倉に入っていてテン泊だそうです。二股のゲートから歩いたのでしょう (>_<) 
実はもう1組、テン泊の先行者がいて、ラッセルはその方々ということでした。

2峰直下で本当の先行者に追いつきました。やはり荷が重いせいか、時間がかかりそうな感じでした。
ここでゆっくりと休憩できそうなので、ホッとしたのは私だけかもね (^^ゞ
妙高、雨飾などの展望も良い、雪も真っ白、心配していたほど風も強くない。文句ナシのいい日だなぁ〜
と、まったり気分の私でしたが・・S氏は座ったままイビキをかいて寝ていました (@_@;)

1時間以上待って最終の雪壁下部へ到着。ここで先行パーティーの方と話をして見送ります、頑張って〜
先ほどの2峰直下で斜度が50度、最終ピッチは60度強です、下から見るとほとんど垂直みたい!!
高さも55メートルで途中で切らないと50mロープが届きません。仕方なく少し上の岩まで上がることに。
それまで私たちは下部で待機。先行者が蹴りこむたびに、バラバラと氷が落ちてきてドキドキでした。
ようやくM氏が登り始めたころ、他パーティーも2組到着。
私もボチボチとS氏がいるビレー地点の岩まで移動します。先ほどより垂直に見えるんですけど・・・

M氏が頂上に着いたようです。いよいよ私達もGOでございます (^_^;) いつものように下は見ません。
S氏と同時に登るのでとても心強かった、でもさすがに最後のセッピの乗り越えはビビリます。
「写真撮るから、そこで止まって♪」 なんて・・・ワタクシはそれどころではなーい!!
「無理でーす!止まれません!」 (キッパリ)   上から覗いているスキーヤーの人に笑われた (^^ゞ

     やりましたぁ〜白馬岳山頂で〜す♪男前の剣もドッカーン!!

M氏達がロープを片付けている間、山頂で一人うっとり気分に浸り、少々落ち着きを取り戻しました(>_<)
さて・・あとは降りるだけです。白馬山荘は今日から営業しているみたいで、トイレをお借りできました。
先ほど苦笑いのスキーヤーはテレマーク、気持ち良さそうに滑っていきました。さようなら〜

この瞬間、多少クライマーズハイ?状態だったかも・・
一人ニンマリの私にスキーヤーの人は引き気味 (^_^;)

         お騒がせしましたm(__)m

夢にまで見た白馬岳主稜、天気にも恵まれ素晴らしい一日でした。
            深く、深く・・感謝 m(__)m