赤岳主稜

2007.3.17

2899.2m

AM8:25 行者小屋に到着、いくつかテントがあり、出発準備が始まっていました。辺りは霧に包まれて
いますが、もうすぐ晴れてくるでしょう。暖かいミルクティを飲みしばらく休憩、ハーネスを付け身支度を整
えます。本日の主稜に向かうパーティーはあるのでしょうか・・岩稜帯での渋滞は避けたいので気合を入
れて出発します。まもなく男女2名のパーティに会い、朝の挨拶をします。

行者小屋から文三郎を1時間弱登った付近で一旦ザックを下ろします。ここからロープをつないで主稜へ
の取り付きとなるルンゼを左にトラバースします。2月25日に確認したチムニーです。あの時と同じくらい
の雪量かなぁ、今にして思えば、この取り付きまでのトラバースが一番気持ち悪かったかも・・

八ヶ岳の冬期クライミング入門ルートとして知られる赤岳西壁主稜に挑戦です。早朝、美濃戸を出発。
本日中に主稜から山頂を目指し、地蔵尾根から一気に下山するという計画です。

取り付き地点 AM10:15 下調べした資料には 『チムニー内のチェックストーン』は下をくぐると以外に
簡単に越えられるとあったのですが、完全に雪で埋まっていました(^_^;)  それならばと右手のルンゼを
登るとそこにも大きなチェックストーンのあるチムニーが現れます。M氏は難なく登って行きますが、どう
やら上部は私には難しそうということ。先ほどのチムニーまで戻り、仕切り直しです。ここで15〜20分の
ロス。チェックストーンの下部には残置シュリンゲがありますが、それには頼らず、何とか登りきります。下
を覗きこむと・・・こわっ!

「1ピッチ目、2ピッチ目・・・・5ピッチ目・・・」と調べていたものの、何が何だかわからないまま無我夢中で
した。とにかく声が届かないと聞いていたのでピッチを短く取ってもらいました。そのせいかほとんど恐怖
感もなく、安心して登ることができました。他に登攀者もおらず快適、ラッキー (*^^)v
ただピッケルが邪魔になるシーンが多く、困りました。もう少し短いピッケルが欲しい・・なと思いました。
途中でピッケルを持て余していると、見かねたM氏がアックスと交換してくれ助かりました。これは凍った
雪面にしっかりと刺さり、すごく使いやすい!よ〜し、次はこれが必要だな (*^^)v
いくつもの岩場を越え登攀を繰り返し、中間地点からの核心も頑張ってクリア〜できました。アイゼンの
掛かりが微妙で少し嫌な感じもありましたが、必死で堪えます。う〜ん、私も少しは成長したかな(^^ゞ

振り向くと阿弥陀岳、そして横岳方向・大同心が美しい

影になった岩場は待っている時間が長く思われ寒かった (>_<) ふと見上げると美しい岩稜帯。下界には
行者小屋が小さく見えます。青く晴れた空が綺麗でした。文三郎道から誰かが手を振ってくれています。
先ほどのご夫婦かな〜〜何だかとても嬉しかった(#^.^#) この辺りですぐ下に2名のパーティーが追いつ
いてきました、先に行って頂きます。私はというと、この時点で足がかなり疲れてきました。休憩したいけど
休む場所もありません。岩登りってハードだなぁ・・ 

リッジを越えると、あとは緩斜面が待っているだけ・・・もう安心です。やっとザックを下ろして休憩できそう
な場所に出ました。暖かい紅茶を一口、ホッと一息です。疲れはそれほど感じませんでしたが、とにかく
足がだるかった!

この角度からこんなに素晴らしい景色を見られるなんて最高の気分でした。

しばらく緩やかな傾斜を登り切ると稜線の縦走路に出ました。ここから赤岳山頂まではあとわずか。
取り付き地点出発から2時間、仕切り直しから考えると、初めてにしては良い感じで登れたかな。。
とりあえずガッツポーズを撮ってもらいます\(^o^)/頂上には出発時に出会ったご夫婦がいて笑顔
で迎えてくれました。お話をしているうちに感動がじわじわと・・・涙がポロリでした。
涙と鼻水でボロボロの笑顔だったかもしれませんが、一生忘れることのない思い出になるでしょう。

山頂で次はどのコースから赤岳を目指そうかと話しながら、パンや紅茶で軽く食事を取りました。 いつに
なく1時間ほどゆっくりとした時間を過ごし、ロープやハーネス、ピッケルを片付けて下山開始です。下りは
地蔵尾根を使います。行者小屋まで一気に下るのでかなり急だと思っていましたが、気のせいか、ナイフ
リッジも怖いとは感じませんでした。感覚麻痺しちゃったのかなぁ (>_<)

3分の2くらい下ったところで、chakoちゃんとO氏、H氏の3人が登って来るのが見えました。実は私は
彼女達が今日地蔵尾根を登ってくることを知っていたのです(^^ゞ でもなかなか姿が見えないのでコース
を変えたのかと思っていました。「chakoちゃ〜ん!やっと会えたね〜」 と言うと 「まぁ・・この二人どこか
違う国から来た人みたいね〜」 なんて言われちゃいました。私の顔、余程ひどかったみたいです (^_^;)
まぁ何はともあれ、会えて良かったです! 山頂目指し、今夜は天望荘に泊まるという3人とお別れして、
私たちは急いで下山します。

初めて挑戦した赤岳主稜を何度も何度も振り返り見上げます。ありがとう、素晴らしい一日でした(#^.^#)

下山後、日帰り温泉に入り今日の疲れを癒しました。町に出て食事をして、運動公園の駐車場に車を止
め、車中で明日の準備をします。疲れて早々に就寝・・・・おやすみなさい。
明日は阿弥陀岳南稜です。でも右手の痛みがあり少し不安でした、朝起きて痛みが残っていたら中止にし
ようと思いながら、あっという間に深い眠りについたのでした。

2日目 阿弥陀岳南稜へ